廃棄物低減対策
廃棄物の最終処分量を低減するため、下記の取り組みを積極的に行っています。
- コンクリート廃材、アスファルト廃材の全量リサイクル
- 調達資材の簡易梱包化
- 手直し・手戻りの防止
- 分別活動の推進
年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
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産業廃棄物の排出量 | 288,214t | 342,953t | 271,051t |
一般廃棄物の排出量 | 454t | 277t | 262t |
リサイクル率 | 97.9% | 96.4% | 96.2% |
CO₂の排出量削減
環境問題が地球規模で深刻化し、その対策が世界共通の重要課題となるなか、CO₂排出量の削減は、事業者として当然に取り組むべき課題であると認識しております。
当社ではアスファルト合材工場が主なCO₂の排出元となりますが、そのほかにも、工事施工用の重機、オフィス、移動用車両などから排出されており、環境マネジメントシステムのなかで各部門が活動方針を定め、CO₂排出量の管理・削減に取り組んでおります。
地球環境の保全
当社では、地球環境の保全が事業上の重要課題の一つであるという認識のもと、環境負荷軽減、環境保全への貢献に向けて、様々な取り組みを行っています。その一例には、長期的な展望も視野に入れた設備更新にあわせて実施される製造設備の機能向上、燃料の置き換え、太陽光発電設備の導入などがあります。
近年における設備更新の一例
佐倉合材工場(千葉県佐倉市)リニューアル[2020年12月竣工]
プラントの燃費向上によりCO₂排出量が削減され、また、材料のストックヤードのコンクリートサイロ化により粉塵対策と重機作業の低減も実現し、環境にやさしい合材工場に生まれ変わりました。
県央営業所(神奈川県厚木市)新築[2022年3月竣工]
事務所・宿舎には太陽光発電設備が設置され、また建物の仕様は、河川に近い立地を考慮し高床式の堅固な構造とするなど、環境にやさしい、また災害にも強い営業所となりました。
本社ビルの建替え[2022年6月竣工]
再エネ設備情報及び省エネルギー対策の取組内容
脱炭素への取り組み、気候変動リスク等に関する情報開示
2030年のあるべき姿の実現とさらなる企業価値向上の追求を目指し、2022年4月より、従前のSX推進プロジェクト、DX推進プロジェクトを、サステナブル経営戦略プロジェクトとして発展的に再編・組織化いたしました。
現在は、2022年8月にSBT認定を取得した削減目標の達成に向けた具体的な取り組みについて検討を進めているところであり、なるべく早い段階で、排出削減計画についても報告できるようにしたいと考えています。
今後、脱炭素経営の実現に向け、本プロジェクトを中心に具体的施策を推進してまいりますが、まずはその入口として、SBT水準の排出削減目標の達成を目指し、順次取り組みを進めてまいります。
SBT(Science Based Targets):パリ協定が求める水準と整合した5年から15年先を目標年として企業が設定する温室効果ガス排出削減目標。
気候変動関連情報開示(TCFD提言の枠組みに基づく開示)
ガバナンス
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気候変動関連のリスクおよび機会に関する取締役会の監督体制
取締役会では、長期ビジョンを策定する過程において、その他のリスク・機会とあわせて、気候変動に関するリスク・機会とその対応策などについて審議を行っており、その内容は、当社グループの「2030年のあるべき姿」、「マテリアリティ」および「中期経営計画」に反映されております。
コンプライアンス、気候変動、人的資本関連を含むサステナビリティ課題への対応に関し、重要事項については取締役会に報告されており、当社グループのサステナビリティへの取り組み状況を監督しております。 -
気候変動関連のリスクおよび機会の評価・管理における経営陣の役割
当社におけるリスク管理は、管理本部担当役員をリスク管理総括管理者、取締役社長を最終的な責任者としております。
また、当社では、気候変動関連を含むサステナビリティに関する方針策定、目標設定、取り組みの推進などを行う組織として、サステナブル経営戦略プロジェクトを設置しております。本プロジェクトは取締役社長直下の組織として設置され、適宜、プロジェクトの取り組み状況を取締役会に報告し、監督を受けております。
なお、気候関連を含む環境全般への対応については、取締役社長が委員長を務め、環境マネジメントシステム総括管理責任者である事業推進本部担当役員ほか数名が委員を構成する環境対策委員会において審議され、必要に応じ、経営資源の投入や環境施策の追加・修正について指示がなされ、重要事項については取締役会に報告されております。
リスク管理
サステナビリティ関連を含む全社的なリスクおよび機会については、通常の事業活動のなかで、それぞれの所管部署において検討・管理されており、必要に応じ、リスク管理総括管理者を委員長、内部監査の機能を有する内部統制推進部を事務局としてリスク管理委員会を組成することで、実効性あるリスク管理体制を構築・運用しております。なお、特に重要なリスク(サステナビリティ関連を含むがこれに限らない)およびその対応策に関しては、取締役会に報告されており、気候変動関連の対応に関しても、こうしたリスク管理のプロセスに組み込まれております。
戦略
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リスクおよび機会と財務的影響
サステナビリティ関連を含むリスクおよび機会については、長期ビジョンおよび中期経営計画を策定する過程において、その他のリスクおよび機会とともに外部環境および内部資源として分析・検討を行い、その概要について公表しております。(長期ビジョン(2030年のあるべき姿)および中期経営計画(2021-2023 年度)
なお、現時点において、気候変動に係る精緻なシナリオ分析および財務的影響の定量的な試算は実施しておりませんが、今後は、2022年8月にSBT認定を取得したGHG排出量の削減目標も踏まえ、1.5℃シナリオを中心に検討を深めていきたいと考えております。 -
気候変動下におけるレジリエンス
当社では、長期ビジョン「2030年のあるべき姿」策定に際し、中長期的な時間軸での将来の社会の姿、当社のビジネスモデル、当社の強み・弱み・リスク・機会、当社および社会における重要性等を勘案しつつ、あらためて「持続可能な社会の実現」と「当社グループの持続的な成長」の両立に向けた重要課題を体系的に整理し、長期ビジョンと一体不可分のものとしてサステナブル重要テーマ(マテリアリティ)を特定し、公表いたしました。
2030年に向けて目指す姿を明確にし、自ら排出する温室効果ガスの削減、再生可能エネルギー関連のインフラ整備やインフラの修繕維持など需要拡大が見込まれる分野への注力等に取り組むとともに、気候変動関連を含むサステナビリティに関するリスクおよび機会を考慮した、人的資本、知的資産、設備・施設、M&A等への投資を戦略的に進めています。
区分 | 種別 | 影響する変化(主なもの) | リスク・機会および対応策(主なもの) |
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移行リスク | 政策・規制 | GHG排出の規制強化、炭素税導入 | GHG排出量削減に取り組み、コスト増加の影響を 回避・抑制 |
技術 | エネルギー転換、省エネ・再エネ技術の進歩・普及 | 化石資源からの転換・省エネ・再エネ技術の 研究開発・導入を推進し、変化するステーク ホルダーの要求に対応することで、事業機会の 喪失を回避・抑制、事業機会の拡大につなげる |
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市場 | 成果品・企業活動全般の低炭素化、 原材料コスト上昇 |
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評判 | 顧客・投資家の評価軸変化 | ||
物理的リスク | 急性 | 異常気象の増加・激甚化 | 事業の拠点・運営についてハード・ソフトの両面 からレジリエンスを高め、事業資産・事業機会 の喪失を回避・抑制 |
慢性 | 気温上昇、降雨や気象パターンの変化 | ||
機会 | |||
資源の効率性 | 交通・輸送手段の効率化、リサイクル・長寿命化 | インフラの高度化・長寿命化・修繕維持を捉えた 事業機会の拡大 |
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エネルギー源 | 低炭素エネルギー活用、政策的インセンティブ活用 | 再エネ関連のインフラ整備需要増加を捉えた 事業機会の拡大 |
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製品・サービス | 低炭素の製品・施工の研究開発 | 需要家のニーズを捉えた製品・サービスを開発・ 提供することで、事業機会の喪失を回避・ 抑制し、事業機会の拡大につなげる |
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市場 | 需要家ニーズの変容 | ||
レジリエンス | 資源の代替・多様化、BCP | 化石資源からの転換・エネルギーの省力化、 安定した供給網の整備により、顧客の信頼を克ち とり、事業機会の拡大につなげる |
- 想定される機会
社会全体が気候変動対応に取り組むなか、気候変動そのものの緩和や気候変動下における社会のレジリエンスに貢献する技術、製品、サービスの需要は、今後さらに拡大していくものと思われます。道路舗装を中心とした建設事業および舗装資材製造販売事業を主軸に事業を展開する当社グループにおいても、再生可能エネルギー関連のインフラ整備や既存インフラの高度化・維持更新等の需要増加といった市場の変化を的確に捉え、事業機会の拡大につなげていきたいと考えております。
また、自らの事業における温室効果ガス排出量の削減や気候変動の緩和に貢献する製品・サービスの提供等に取り組むことにより、企業価値の毀損を回避・抑制し、さらに企業価値の向上につながる機会にもなり得るものと考えております。例えば、製品のカーボンニュートラルを実現することにより、環境意識の高い需要家のニーズに対応するほか、事業活動全般の低炭素化・脱炭素化を着実に推進し、自らのレジリエンスを高めることなどを通じて、ステークホルダーの信頼を克ちとり、その結果として、事業機会の拡大、さらには企業価値の向上につなげていくことができるものと考えております。 - 想定されるリスク
当社グループのサービス・製品の主要な需要家は官公庁および官公庁から直接工事を請け負う元請事業者ですが、こうした発注者のなかにはサプライヤーの気候変動への取り組み姿勢について評価する需要家も存在し、また、今後こうした要請は増加していくものと考えられます。仮に、当社グループの気候変動に関する取り組みが著しく不十分である場合、こうした需要家からの受注機会を喪失し、収益に悪影響が生じる可能性があります。
特に舗装資材製造販売事業においては、製造・運搬の過程において一定規模の電力・重油・ガス等のエネルギーを必要とするため、温室効果ガスの排出規制が強化されれば、炭素価格制度導入に伴う金銭的負担の増加に加え、省エネルギー化や再生可能エネルギーの導入などのための追加的なコストが生じる可能性があります。さらには、舗装資材の主要材料であるアスファルトは原油から精製されるため、環境配慮の流れのなかで供給制約、価格変動などの影響が懸念されるほか、長期的には枯渇する可能性さえもあることから、今後の課題として原材料・燃料とも化石資源からの転換を図っていくことが求められると考えております。こうした対応をしていくためには研究開発をはじめ相応のコストを要するとともに、仮に、当社グループがこれに対応できない場合には、事業活動は著しい制約を受け、収益に悪影響が生じる可能性があります。
また、社会資本整備の一端を担う企業グループとして、自然災害発生時には、事業活動を通じた復旧・復興事業への貢献が期待されているところ、気候変動に伴う自然災害の頻発・甚大化により、アスファルト合材工場、工事の事業所、建設機械等に損壊が生じると、その責務を果たすことができない可能性があります。 - 機会・リスクの当社グループへの影響についての認識
(2)に記載のとおり気候変動に関連するリスクが存在し、当該リスクが顕在化した場合には、企業価値を著しく低下させる可能性があるものの、当社グループが今後も着実に気候変動対応を進めることにより、こうしたリスクは回避または十分に軽減できると考えております。
一方で、当社グループは「豊かな地域社会づくりに貢献する生活基盤創造企業」という企業理念のもと、社会に対する永続的な価値の提供と、中長期的な企業価値の向上を目指しています。深刻化する自然災害などが社会に大きな不安を与えるなかで、気候変動関連をはじめとするサステナビリティを巡る課題の解決に取り組み、当社グループのレジリエンス、さらには社会全体のレジリエンスを高めていくことは、企業理念の実現につながるとともに、持続可能な社会の実現にも貢献し得るものと考えております。 - 対応策
環境配慮、自然災害への耐性などを考慮し、アスファルト合材工場・事務所等、施設・建物の更新やエネルギーの切り替えなどを計画的に進めるほか、環境負荷の低減に寄与する技術・商品の研究開発、ISO14001の継続的運用、事業継続力に関する認定の取得、再生可能エネルギー関連施設の整備に関する需要取り込み等を通じ、気候変動下における強靭性の強化を進めています。また、SBT認定を取得し、サプライチェーンを含めた、事業活動に関する温室効果ガス排出量全般の削減にも取り組んでいます。
指標と目標
当社は、事業活動に伴う温室効果ガス排出量の削減に向けて以下の目標を設定し、2022年8月にSBT認定を取得しました。なお、排出量削減の進捗状況につきましては、コーポレートレポートおよび当社WEBサイトにて公表しております。
2020年度排出量 | 2030年度までの10年間の削減目標 | 2021年度排出量 | 2022年度排出量 | |
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スコープ1 | 50,751t | スコープ1、スコープ2の排出量合計を、 年平均4.2%、2030年度までの 10年で42%削減する。 【1.5℃水準】 |
47,721t | 42,472t |
スコープ2 | 12,405t | 11,256t | 8,717t | |
スコープ3 (カテゴリー1) |
419,722t (356,629t) |
カテゴリー1に分類される「購入した製品や サービスに係る排出量」を 年平均2.5%、2030年度までの10年で25%削減する。 【WellBelow2℃水準】 |
370,440t (306,426t) |
368,749t (305,767t) |
現在は、削減目標の達成に向けた具体的な取り組みについては、前述したサステナブル経営戦略プロジェクトを中心に検討を進めているところであり、なるべく早い段階で、排出削減計画についても報告したいと考えております。
また、現時点において、上記の温室効果ガス削減目標以外に、気候変動関連リスク・機会への対応に関して設定した指標・目標はありませんが、今後、シナリオ分析および財務的影響の定量的な試算とあわせて、追加的な指標と目標の設定についても検討を深めていく予定です。
技術紹介
当社では、サステナブルな社会実現への貢献を重要なテーマの一つと位置付け、循環型社会の構築、温室効果ガスの低減、交通安全、道路維持管理の効率化など、地球環境や社会、人々の生活に優しさや快適性をもたらす技術の研究開発に取り組んでおり、既に実用化している技術のなかにも、CO₂の排出量抑制、ヒートアイランド現象緩和、資源のリサイクルなどにつながる、数多くの環境に配慮した商品、工法を取り揃えております。
環境に配慮した商品・工法の一例
遮熱性舗装
遮熱性特殊塗料を路面に塗布することで、太陽からの赤外線を効率よく反射させ、舗装体の温度上昇や蓄熱量を抑制することで、ヒートアイランド現象緩和に寄与します。渋谷ハチ公前スクランブルはじめ多くの実績があります。
マイブル-eco(一般名称:フォームドアスファルト混合物)
アスファルトに微小な泡を添加することで、アスファルトと骨材が混合しやすくなります。一般のアスファルトより約30℃低く混合・施工が可能です。
供給エリアの拡大、冬期および寒冷地での施工性向上、交通規制時間の短縮、地球環境負荷低減に寄与します。
再生合材
アスファルト舗装材の再利用に関し、道路分野では1970年代から本格的な技術開発が進められ、建設資材としての再利用技術の標準化が図られています。
当社では、1977年に江戸川区妙見島にリサイクリング・プラント第1号を設置し、現在は、全国に展開する合材工場で再生合材の製造販売を行っています。
常温アスファルト混合物「エコミックス」
エコミックスは、アスファルト塊をリサイクルした再生骨材を50%以上配合した環境にやさしい常温型アスファルト混合物で、一定の作業性を確保しながら高い強度発現を可能としたエコマーク認定商品です。